①の取扱いについて
取扱いについては、部会長市(川崎市)に一任されました。具体的な日程等は調整 中ですが、市長による要請活動は行いません。
③の取扱いについて
7月26日の「第7回 社会保障審議会 生活困窮者の生活支援の在り方に関する 特別部会」において、委員である上田 文雄 札幌市長 が指定都市市長会を代表して、 生活困窮者対策と生活保護制度の見直しについて説明する中で、発出します。
報道提供資料 平成 24 年 7 月 20 日 広域行政課 042-769-8248
第33回指定都市市長会議の開催結果について
本日7月20日、指定都市市長会(会長:矢田 立郎 神戸市長)は、東京都
内で第33回指定都市市長会議を開催し、次の意見等を採択しました。
①地域主権改革の推進に向けた指定都市市長会意見
②多様な大都市制度の早期実現に必要な法整備を求める指定都市市長会
アピール
③「生活支援戦略」中間まとめ に関する指定都市市長会意見
④東京 2020 オリンピック・パラリンピック招致に関する応援決議
※意見文等は、添付資料をご参照ください。
〔連絡先〕指定都市市長会事務局
担当:隅田・嶋津 電話:03-3591-4772 FAX:03-3591-4774
地域主権改革の推進に向けた指定都市市長会意見
地域主権改革については、第1次及び第2次一括法が施行され、
第3次一括法案が国会へ提出されるなど一定の進展が見られた。
しかしながら、義務付け・枠付けの見直し及び基礎自治体への権
限移譲については、地方分権改革推進委員会の勧告で示されたもの
のうち法案に盛り込まれていないものがあるなど、十分なものとは
言えない。
更に、指定都市等の地方が特に移譲を要望している直轄道路など
個別の事務権限についても、十分に取組が進んでいない状況である。
国は、 地域主権の趣旨に基づき、 地方が自らの判断と責任により、
地域の実情に沿った行政を行うことができるよう、野田総理大臣の
強力なリーダーシップの下、指定都市等の地方の意見を反映させな
がら、改革を更に推進していかなければならない。
ついては、今夏に予定されている「地域主権推進大綱(仮称) 」の
策定にあたり、次のとおり要請する。
1 義務付け・枠付けの見直しについては、勧告で示された条項の
うち、見直しの検討が行われていないものなどについて、地方か
らの地域の実情に即した具体的な提案を受けて実施するだけでは
なく、国の責任の下で、更なる見直しを確実に進めること。
また、見直しに当たっては、原則として「従うべき基準」を設
定しないこと。 併せて、 既に一括法で設定されたものについても、
再度見直しを行うこと。
2 基礎自治体への権限移譲については、勧告で示された権限のう
ち移譲が実現していないものなどについて、更なる大幅な権限移
譲を進めること。また、権限移譲に当たっては、必要な財源を税
源移譲により措置すること。
①
3 国の出先機関改革については、 「アクションプラン ~出先機関
の原則廃止に向けて~」に基づき、財源と人員の取扱いを含む、
原則廃止に向けた具体的な工程を明らかにして、着実に改革を推
進すること。
なお、ハローワークについては、既に実施している国と地方の
一体的な取組に係る成果と課題について早急に検証を行うととも
に、希望する指定都市への権限移譲を実現すること。
また、直轄道路や直轄河川、その他共通課題に係る事務・権限
についても、移管に向けた取組を速やかに実施すること。
4 国庫補助負担金改革については、国と地方の役割分担を明確に
したうえで、国が担うべき分野については、必要な経費全額を国
が負担するとともに、地方が担うべき分野については国庫補助負
担金を廃止し、所要額を全額税源移譲すること。したがって、地
域自主戦略交付金は税源移譲までの経過措置であることを明確に
位置付けること。
5 国直轄事業負担金については、国と地方の役割分担を見直した
うえで、国が行うこととされた国直轄事業については、早急に地
方負担を廃止すること。また、現行の国直轄事業を地方へ移譲す
る際には、所要額を全額税源移譲すること。
なお、 「直轄事業負担金制度の廃止に向けた工程表(素案) 」に
おいて、平成25年度までに「廃止とその後の在り方について結
論を得る」とされていることから、指定都市との協議の機会を早
期に設けて意見を十分に取り入れ、具体案を提示すること。
平 成 2 4 年 7 月 2 0 日
指 定 都 市 市 長 会
多 様 な 大 都 市 制 度 の 早 期 実 現 に 必 要 な 法 整 備 を 求 め る
指 定 都 市 市 長 会 ア ピ ー ル
大 都 市 制 度 に 関 す る 議 論 の 根 幹 は 、 大 幅 な 権 限 と 財 源 の 移 譲 に よ
る 真 の 分 権 型 社 会 の 実 現 に あ り 、指 定 都 市 は 、基 礎 自 治 体 優 先 の 原
則 の も と 、住 民 が よ り よ い 行 政 サ ー ビ ス を 受 け ら れ る よ う 、そ れ ぞ
れ の 地 域 の 実 情 に 応 じ た 多 様 な 大 都 市 制 度 の 早 期 実 現 を 求 め て い
る 。
我 が 国 に お け る 大 都 市 制 度 の 議 論 が 活 発 化 す る 中 、 与 野 党 の 5 党
は 、 東 京 都 以 外 の 道 府 県 に 特 別 区 の 設 置 を 認 め る 新 法 案 を 今 国 会 に
共 同 提 出 し よ う と し て い る 。
こ の 法 案 は 、 指 定 都 市 が 早 期 実 現 を 求 め る 多 様 な 大 都 市 制 度 の 一
つ で あ る 、 大 阪 で 検 討 を 進 め て い る 大 都 市 制 度 を 推 進 す る も の で あ
る 。
し か し な が ら 、指 定 都 市 は 、そ の 規 模 や 歴 史・文 化 の 違 い 、国 や
広 域 自 治 体 と の 関 係 性 、 地 域 で 果 た す 役 割 な ど が 大 き く 異 な る 。
従 っ て 、大 都 市 が 抱 え る 諸 課 題 を 解 決 す る た め に は 、従 来 か ら 制
度 創 設 を 提 案 し て い る 特 別 自 治 市 、 新 潟 な ど で 進 め て い る 大 都 市 制
度 に つ い て も 、道 州 制 の 議 論 も 見 守 り つ つ 、各 地 域 の 実 情 に 応 じ て
選 択 可 能 な 制 度 と し て 整 備 す る こ と が 必 要 で あ る 。
そ こ で 、各 政 党 に お い て は 、こ の 度 の 法 案 提 出 を 多 様 な 大 都 市 制
度 の 実 現 に 向 け た 第 一 歩 と 位 置 付 け 、引 き 続 き 、指 定 都 市 の 意 見 や
提 案 を 真 摯 に 受 け 止 め 、 特 別 自 治 市 な ど 多 様 な 大 都 市 制 度 の 早 期 実
現 の た め に 必 要 な 法 整 備 に 向 け て 積 極 的 に 取 り 組 む よ う 強 く 求 め
て い く 。
平 成 2 4 年 7 月 2 0 日
指 定 都 市 市 長 会
②
「生活支援戦略」中間まとめに関する指定都市市長会意見
生活保護制度は、昭和25年の制度創設以来、抜本的な改革が行われていないことか ら、社会経済情勢の変化に対応できておらず、制度疲労を起こしている。
リーマンショック以降、生活保護受給者は大幅な増加を続けており、とりわけ保護率 の高い大都市においては、地方自治体の財政を大きく圧迫し、行政運営に支障をきたし ている。更には、年金制度や最低賃金制度との不整合など、制度の矛盾点が顕在化する とともに、不正受給が後を絶たないなど、生活保護制度に対する国民の信頼が揺らいで いる。
このような状況のもと、指定都市市長会は、平成22年10月の「社会保障制度全般 のあり方を含めた生活保護制度の抜本的改革の提案」などにより、具体的な改革の提案 を行ってきた。また、今年5月には、現在、国が策定を進めている「生活支援戦略」等 について「生活保護制度の見直しについての指定都市市長会要請」として意見をまとめ、 要請したところである。この中で示した低所得の高齢者への生活保障や生活保護費の全 額国庫負担等、社会保障全般のあり方を含めた生活保護制度の抜本的改革について、国 は、問題を先送りすることなく、真摯に実現に向けた検討を行うべきである。
このたび「生活支援戦略」の中間まとめが公表された。これで示されている生活困窮 者支援体系の確立と生活保護制度の見直しの改革の方向性に関し、指定都市市長会とし ての意見は、以下のとおりである。
「生活支援戦略」の策定に当たっては、生活保護の現場で日々実務に当たっている地 方の意見を十分に汲みとり、今日の社会経済情勢に応じた実効性のある改革の具体案を 早急に策定し実施することを求める。
1 生活困窮者支援体系の確立について
(1)セーフティネット機能の十分な整備について
働く能力がある者は、生活保護制度ではなく、雇用・労働施策の中で自立する仕 組みにするべきである。しかし、中間まとめで示された貸付と居住の確保などを柱 とするセーフティネットは、生活困窮者への貸付が自立後の返済による再困窮の原 因となるおそれがあること、生活困窮者には多重債務者もおり、更なる貸付の有効 性に疑問があることから、セーフティネットとしては不十分である。
また、現行の求職者支援制度は、給付額が生活保護よりも少ないなど、セーフテ ィネットとして十分に機能していない。
このため、第2のセーフティネットとして、生活保護と同等以上の給付水準を確 保するとともに、ハローワークによる職業相談等の就労支援及び居住の確保と、民 間事業者による家計再建等の自立支援が一体となった制度を構築し、働く能力のあ る者が生活保護に至らずに自立できるようにするべきである。
(2)「貧困の連鎖」の防止のための取組について
生活困窮、孤立状態にある又はそのおそれのある子ども・若者は「貧困の連鎖」 に陥るリスクが高く、この世代に対する支援を行うことは非常に重要である。
養育相談、学習支援等は、生活保護受給家庭だけでなく、養育機能が不足してい る家庭に対しても実施すべきであり、身近な場所で相談や学習・生活支援等が受け られるよう居場所については、十分な数を設置する必要がある。
③
また、就労支援については、ひきこもりなどの孤立状態から就労に至るまでの継 続的・段階的な支援が不可欠であり、そのために必要なマンパワーを確保するとと もに、共同生活を通じた生活訓練や、幅広い分野における社会体験・就労体験等、 個別の状況に応じた支援メニューを充実させる必要がある。
2 生活保護制度の見直しについて
(1)地方自治体の調査権限等の強化
不正受給の未然防止など生活保護の適正化のためには、地方自治体の調査権限を 強化する必要がある。そのためには、調査範囲の拡大だけでは不十分であり、調査 先の回答義務及び合理的な理由なく回答を拒否する場合の罰則が不可欠である。
また、不正受給に対する罰則強化に当たっては、警察との協力・連携体制の強化 等による実効の確保が必要である。
(2)医療扶助の適正化
医療扶助の適正化について、医療機関の指定の在り方の見直し及び医療機関への 指導・検査を国と地方が協力して行う仕組みの導入等、医療機関に対する指導など を強化するべきである。
また、最低生活を保障した上で医療費を一部自己負担する仕組みの導入等も検討 するべきである。
(3)ハローワークと一体となった就労支援の抜本強化
働く能力がある被保護者については、保護開始の際の早期かつ集中的な支援が有 効である。また、福祉事務所が被保護者の能力や求職状況に応じた的確な指導を行 い、ハローワークが被保護者の生活状況に適した職業を紹介するなど、両者が連携 協力して被保護者の自立を目指した支援を行うために、ハローワークと福祉事務所 の情報共有及び福祉事務所への求人端末の設置等の取組をさらに進めるべきである。
(4)増加する高齢者世帯への対応
高齢化の進展により増加する高齢者世帯への対策としては、社会的自立の促進だ けではなく、抜本的な制度改革が必須であり、従来から指定都市市長会が提案して いる「年金制度と整合する新たな生活保障制度」についても検討を行うべきである。
3 実施体制の整備について
生活困窮者の支援において、生活困窮者の早期把握、伴走型支援体制の構築、被保 護者への就労・社会的自立に向けた支援及び生活保護脱却後のフォローアップ等の強 化は重要である。しかし、現場のケースワーカーの負担は、急増する被保護者への対 応により既に過重となっている。このため、これらの実施に当たっては、民間事業者 への委託や嘱託職員の拡充等、現場の負担を増加させない方法によることが必要であ る。また、支援に関する知識と経験を持つ民間事業者は、重要な役割を担うものであ り、協働による支援を維持できる制度としなければならない。
なお、これらの生活困窮者支援のための委託料や報酬等の費用については、全額国 庫負担とするべきである。
平成24年7月20日 指 定 都 市 市 長 会
東京 2020 オリンピック・パラリンピック招致に関する応援決議
現在、東京都を中心に東京 2020 オリンピック・パラリンピック招致に向けた 取組が進められています。
日本では、2011 年 3 月に東日本大震災が起こりました。その時、多くのスポ ーツ界、アスリートの方々が被災地・被災者支援のため、何をなすべきかを考 え、行動され、感動の輪が拡がりました。スポーツの果たす偉大な役割を国民 は再認識したところです。
今回の招致が実現すれば、日本人が誇りと自信を持ち、未来に向かって一丸 となって国を活性化し、さらに、国際社会における日本の存在感を高めること につながります。
被災地をはじめ日本国中を元気にするために、そして、被災地支援のため尽 力をいただいた世界中の方々に感謝を伝えるために、東京 2020 オリンピック・ パラリンピック招致の実現に向け、指定都市市長会はその活動を応援します。
平成24年7月20日 指 定 都 市 市 長 会